北海道・十勝エリアの交通を担う「十勝バス」の社長であり、現在は十勝帯広西支部の支部長も務める野村文吾支部長。

1926年創業、従業員数は270名を超える組織を率い、低迷していた会社の経営をV字回復させたことでメディアにも多く取り上げられた野村支部長は、中心道での学びを経営や家庭で活かしているのでしょうか。

「原理原則」を、経営のど真ん中に置く

僕が須田創始と出会ったのは、社長になって10年ほど経った頃。当初は「自分の成長が、会社の成長につながる」と思って中心道に通っていました。

現在は、中心道で学んだ原理原則、法則を経営のど真ん中に据えて取り組んでいます。

具体的には、原理原則を社員との前提として使う。部下との会話でも「それは主観と客観がズレてるんじゃないか」とか、「虫眼鏡の法則を働かせると、どうなる?」という言葉がしょっちゅう出てきます。

こうした前提を社員と共有できていることで、コロナ禍で厳しい状況に陥った後も、再び進化・成長できる兆しが見え始めているなと感じますね。

家庭内でのコミュニケーションが変わった

家庭での活かし方で言うと、以前の僕はゆみちゃん(編集部注:奥様のこと)に結構厳しく接していました。振り返ってみると、まずかったなあ、と(笑)。

武士道塾や士魂塾で学ぶ「シラス」と「ウシハク」で言うと、以前の僕は完全に「ウシハク」でした。亭主関白というか、支配する感じというかね。

でも、中心道で学ぶにつれて「それじゃダメだ」と思ったんです。それから、ゆみちゃんに対して柔らかく接するようになりました。

これは、社員とのコミュニケーションでも同じですね。

ゆみちゃんから、僕が中心道を始めての変化について聞いたことがあるか? それが、ないんです(笑)。

僕の変化は感じているはずですが、すぐに調子に乗るのを知ってるから、敢えて言わないのかな。なかなかやるな・・・と思いますね(笑)。

「日本を支える地方を作る」を志に

全国の地方都市を、バスという交通機関を使って活性化させ、「日本を支える地方」を作る。これが自分の中心の道です。

その一手として、十勝の大空地区をモデルとして、狭く、深いコミュニティを作ることを始めています。

こうしたモデル地区がいくつかできたら、その地区同士をバスネットワークで結ぶ。これが実現すると、その地域全体の活性化につながっていきます。

僕はこのプロジェクトが「日本を支える地方」作りの第一歩になると確信しています。

こうした自分の「中心の道」を堂々と歩めているのも、中心道で学びを深め、同志の皆さんと切磋琢磨できたから。

これからも、共に学び続け、さらに進化・成長していきたいと思います。